2022年3月18日(金)から3月20日(日)にかけて、本学大学院博士課程学生が主催する複合芸術会議2022 複合芸術の幻影 を開催しました。


【メインプログラム】
※プログラムは終了しました
■複合芸術と生成される「あいだ」
3月19日(土)14:00-17:00
当初は対面での開催を目指しておりましたが、コロナ渦の感染状況を鑑み、ZOOMミーティングを活用したオンライン開催に変更とさせていただきます。
ご興味のある方は、下記Googleフォームから事前登録をしてください。後日、登録いただいた方に参加URLをお送りします。
 お申し込みフォーム

<シンポジウム概要>
〈複合芸術と生成される「あいだ」〉では、同世代の研究者であるアート・メディエーター はが みちこ氏をお招きして、博士課程に在籍する4名の研究報告を行います。 総合討論では、本学教員を加えて、「〈トランス〉の在り方とこれから」をテーマに、それぞれの領域の間に生成されつつある新たな芸術領域についてディスカッションします。

<プログラム>
1.複合芸術と生成される「あいだ」について:唐澤太輔(哲学者)*
2.複合芸術会議と複合芸術研究科ならび博士課程について:飯倉宏治(ソフトウェア技術者)*
3.基調講演「インターメディアと荘厳 」:はがみちこ(アート・メディエーター)
4-1.研究報告「音と聴取のための芸術実践」:宮本一行(博士課程3年)
4-2.研究報告「ローカル映画から他者を思う―ニュー・ガリシア・シネマを足がかりに―」:藤川史人(博士課程1年)
4-3.研究報告「詩性探究としてのアートベース・リサーチ(Arts-Based Research) 」:佐々木樹(博士課程2年)
4-4.研究報告「『無縁』の実践としての芸術と仏教ー浄土宗應典院のアート事例を参照してー」:秋田光軌(博士課程2年)
5.総合討論「<トランス>の在り方とこれから」 ファシリテーター:石倉敏明(人類学者)*
コメンテーター:はがみちこ(アート・メディエーター)
藤浩志(美術家)*

*秋田公立美術大学大学院教員

<ゲストプロフィール>
はが・みちこ
アート・メディエーター。1985年岡山県生まれ。2011年京都大学大学院修士課程修了(人間・環境学)。『美術手帖』第16回芸術評論募集にて「『二人の耕平』における愛」が佳作入選。主な企画・コーディネーションとして「THE BOX OF MEMORY-Yukio Fujimoto」(kumagusuku、2015)、「國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト」(2017〜)、菅かおる個展「光と海」(長性院、Gallery PARC、2019)など。京都市立芸術大学芸術資源研究センター非常勤研究員。浄土複合ライティング・スクール講師。


【博士課程展概要】
複合芸術研究科博士課程展は、秋田公立美術大学大学院博士課程に在籍するアーティストや研究者の活動を通じて、複合芸術の多様な取り組みを紹介する展覧会として、2022年より開催されます。第一回にあたる本展覧会は、個々の主となる領域からのアプローチを通じて、制作・研究に取り組む博士課程学生が主体となって企画しています。


【関連イベント】
※イベントは終了しました
■オープニングトーク
日時:3月18日(金) 16:00-16:30
博士課程4名(宮本・秋田・佐々木・藤川)が、本企画をはじめ博士課程における取り組み、制作・研究について紹介します。予約不要で参加できますので、お気軽にご参加ください。

■藤川 史人 作品上映
3月18日(金)13:00-14:40、15:00-16:40
3月19日(土)16:00-17:40
3月20日(日)13:00-14:40、16:00-17:40
座席は10席常備。状況によって増設いたします。

■秋田 光軌 デスカフェ「死ぬのはこわい?」
3月20日(日)10:30-12:00(出入自由) 
進行役:秋田 光軌、ゲスト はが みちこ
ふだん話さない「死」について、ゆっくり対話しながら自分の内側を見つめなおしてみます。 他人の意見を打ち負かしたり、全員が合意できる解答を見つける場ではありません。一人ひとりが主役となって、いっしょに考えましょう。

■アフタートーク 
アンケートご回答のお願い
本企画後、博士課程学生によるアフタートーク動画をオンラインにて公開予定です。その
中にて、研究報告の発表やシンポジウムでの討論など対するご意見・ご感想を一部ご紹介
する予定です。ご来場された方は是非3月18日(金)- 31日(木)の期間に以下アンケート受付フォームへご回答のご協力をお願いします。
アンケート受付フォーム


秋田市文化創造館 1階コミュニティースペース
〒010-0875 秋田県秋田市千秋明徳町3-16


「複合芸術」(Transdisciplinary Arts)とは異なる専門分野との交わりを通じて自身の専門性を拡張させる「内的運動」と、外部社会に介入してその諸要素の複合を推し進める「外的運動」によって、新たな表現領域や社会的価値を創造していくあり方を指します。現代芸術と呼ばれる表現活動において、これらのことは既に多くのアーティストや研究者によって意識的に取り組まれています。このような状況において私たちは、改めて「複合芸術」とは何かを考えてきました。
博士課程では1年間の合同研究会を通じて、それぞれの研究領域を往還しながら「複合芸術」を明確に専門分化してみることができないものであると捉え直しました。
精神科医の木村 敏は、複数のもの同士や領域のあいだ(between)だけではなく、私たち一人ひとりの生を支えている「生命一般の根拠とのつながり」を含む関わりとして垂直的に「あいだ」(betweenness)を捉えます。私たちもまた、「複合芸術」が異なる領域を内的/外的に重ね合わせることに留まらず、その運動の中から垂直的な「あいだ」を生成する営みであると想定しています。
宮本は、身の回りに潜む様々な環境音を一つの総体として捉え直すため、身体性に着目したインスタレーション作品を展開しています。秋田は、仏教を芸術の視点から読み替えることで、「無縁」の世界との回路をひらこうとしています。佐々木は、個々人の視点からつくられた私的・詩的なテキストと写真を集積する調査
を通して、社会的世界における私的・詩的な視点の再構成の検討をしています。藤川は、ローカルにおいて映像を通し非人間をも含む他者との関係構築を試みています。
私たちが「あいだ」を探求していく中でそれぞれ捉えてきたものは、 “Trans”(超越・越境)だけではなく“Trance”(恍惚・幻影)でもあると考えます。そして、多元化する世界を積極的に横断・越境することで、現実と幻影の境界を漂っているかのような状態を、私たちは〈トランス〉と再定義します。
私たちの生に関わり立ち現れる、さまざまな〈トランス〉を断続的に現前させていくプロセスを通じて、新たな芸術領域を創造していくあり方を提示したいと考えます。


博士課程一同


シンポジウムの様子




【会期】
2022年3月18日(金)- 3月20日(日)
開場時間:9:00-18:00

【入場料】
入場無料

【会場】
秋田市文化創造館1階
〒010-0875 秋田県秋田市千秋明徳町3-16

【問い合わせ】 
秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科 
Mail:ICTA2022@akibi.ac.jp
Tel:018-888-8100


【感染症対策について】
新型コロナウィルス感染拡大防止のため、来場の際は不織布マスクの着用、会場入り口に設置してあるアルコールでの手指消毒をお願いします。また、以下のいずれかに該当する方は来場をご遠慮ください。
1. 発熱症状のある方
2. 咳や鼻水など、カゼの 症状のある方
3. 14日以内に 外国を含む感染拡大地域への渡航・滞在歴のある方
4. 新型コロナウィルスの感染 および濃厚接触者の方

*新型コロナウィルスの影響により、開催形態の変更や中止の可能性があります。本企画の開催に
関する最新の情報は大学の公式webサイトに掲示します。