Study:大阪関西国際芸術祭 2023、釜ヶ崎芸術大学共催のトークイベント『サバイバル複合芸術 ー Survive with Transdisciplinary-Arts』Vol.1『「生命」 - アジールと限界芸術』、Vol.2『「生存」 ー今日のアジアと限界芸術』を開催いたします。
※多くの方にご参加いただきありがとうございました。イベントの様子は以下よりご覧いただけます。

去る1月29日、大阪の船場エクセルビルにて開催された「複合芸術会議2023 サバイバル複合芸術」(大阪関西国際芸術祭2023関連イベント)から、セッション1「生命ーアジールと複合芸術」、セッション2「生存ー今日のアジアと複合芸術」動画をアップいたしました。秋田、藪本の博士課程院生と福住廉先生、そして展示に参加した3名のゲストとともに展開されたトークは、それぞれの視点から芸術や生について捉えなおすものとなりました。「釜ヶ崎芸術大学」展示内に設えられた舞台前には50名近い参加者が集まり、特別な熱気が溢れました。ぜひご覧ください。(博士課程1年 藪本雄登)


・開催概要

日時:2023年1月29日(日) 14:00~16:30 ※後日動画配信あり
   Vol.1 「生命」 - アジールと限界芸術 14:00~15:15頃  
   Vol.2 「生存」 ー今日のアジアと限界芸術 15:30~16:30頃 
会場:船場エクセルビル 6F
住所:大阪府大阪市中央区久太郎町3丁目2−11
料金:無料
※来場の際は2F受付にて、トークに参加する旨お伝えください。会場は「 Study:大阪関西国際芸術祭 2023」の有料会場となります。各階の作品展示をご覧になる場合は共通パスが必要です(現地販売あり)。
定員:20名(事前予約制)
以下のサイトもご覧ください。
イベント・ウェブサイト
Study:大阪関西国際芸術祭 2023ウェブサイト


主催:秋田公立美術大学
共催:釜ヶ崎芸術大学、Study:大阪関西国際芸術祭 2023
企画:秋田公立美術大学 大学院複合芸術研究科


Vol.1 「生命」 - アジールと限界芸術

モデレーター:秋田光軌(秋田公立美術大学大学院博士課程3年)
ゲスト:上田假奈代(詩人、詩業家、NPO法人こえとことばとこころの部屋代表)、福住廉(美術評論家・秋田公立美術大学大学院准教授)

詩人の上田假奈代氏は「生きることは表現」との考えのもと、釜ヶ崎にて「ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム」を運営しながら、多様な人々が芸術文化や学問について学び合う場づくりを行っています。セッションvol.1では、生活と芸術の境界線上にある「限界芸術」の視点も交え、美術評論家の福住廉氏とともに、ココルームの活動の中にある「生命」への気づきについて語り合います。


Vol.2 「生存」 ー今日のアジアと限界芸術

モデレーター:藪本雄登(秋田公立美術大学大学院博士課程1年)
ゲスト:Aung Myattay(アーティスト)、Tuan Mami(アーティスト)、福住廉

セッションVol.2では、「生存」という言葉をテーマに、ベトナム人アーティストのトゥアン・マミ(Tuan Mami)やミャンマー人アーティストのアウンミャッテー(Aung Myattay)の芸術表現を踏まえて、現代の東南アジアの芸術を取り巻く環境や状況について共有致します。そして、アジアの「自然観」や「神話/民話」等を起点に、鶴見俊輔の「限界芸術」の文脈を踏まえ、現代アジアにおける「生存」のための具体的な芸術のあり方について対話を行います。


登壇者

Vol.1
司会、モデレーター:秋田光軌
1985年大阪府生まれ。浄土宗大蓮寺住職、パドマ幼稚園園長補佐。2014年、大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了(臨床哲学)。同年に浄土宗教師資格を取得後、2019年まで「葬式をしない寺」應典院に勤務し、現代アートや演劇の場づくりに関わりながら哲学カフェや念仏ワークショップを企画。現在はお寺の幼稚園で働きながら、研究と実践の両面で死生への問いを探究している。秋田公立美術大学大学院博士課程在籍。

ゲスト:上田假奈代
1969年奈良県吉野生まれ。詩人、詩業家、NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)代表。03年新世界フェスティバルゲートで、ココルームをたちあげ「表現と自律と仕事と社会」をテーマに社会と表現の関わりをさぐる。08年から西成区通称・釜ヶ崎で「インフォショップ・カフェ ココルーム」を開き、喫茶店のふりをし、「ヨコハマトリエンナーレ2014」に釜ヶ崎芸術大学として参加。16年春、地域の人たちと旅人とのであいをつむぎたいと考え、同商店街で30数ベッドの「ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム」を開く。著書に「釜ヶ崎で表現の場をつくる喫茶店、ココルーム」(フィルムアート社)他。2014年度 文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞。

ゲスト:福住廉
1975年東京都生まれ。美術評論家。和光大学人文学部卒業。九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程単位取得退学。著書に『今日の限界芸術』(BankART 1929、2008)、共著に『日本美術全集第19巻拡張する戦後美術』(小学館、2015)、『どうぶつのことば』(羽鳥書店、2016)ほか多数。企画展に『21世紀の限界芸術論』(ギャラリーマキ、2005~2011)、『今日の限界芸術百選』(まつだい「農舞台』ギャラリー、2015)ほか多数。2022年度より秋田公立美術大学大学院准教授。東京藝術大学大学院テクニカル・インストラクターも務める。

Vol.2
司会、モデレーター:薮本雄登
アウラ現代藝術振興財団、紀南アートウィーク実行委員長
1988年生まれ、和歌山県紀南地域出身。大学卒業後、カンボジアで起業。その後、十数年に渡り、カンボジア、ラオス、タイ等に居住し、事業展開する傍ら、各地のアートコレクティブ等への助成や展示会の支援を行っている。
現在、アジア地域の神話や民俗等に関心を持ち、秋田公立美術大学博士課程にて、人類学、民俗学と現代アートについて研究を行っている。主な展覧会として、「紀南アートウィーク2021」、「水の越境者(ゾーミ)たち-メコン地域の現代アート-」展(大阪)、「アナルコ・アニミズム -まつろわぬ生命-」展(宮城)等がある。2022年10月に、和歌山県紀南地域にて「みかんマンダラ」展を開催。

ゲスト:トゥアン・マミ/Tuan Mami
ベトナム人アーティストのトゥアン・マミは、サイトスペシフィック・インスタレーション、ビデオ、パフォーマンス、コンセプチュアル・アートの分野で活動する学際的・実験的なアーティストであり、常に新しいメディア、手段、方法を探求し、内省的な問いかけや社会調査によって進化を続けている。近年は、移動を繰り返しながら、私たちがどのように「人間」であるかという概念を探求し、観察している。2014年から、マミはベトナムと世界中のベトナム人ディアスポラについて研究している。マミは、これらのコミュニティで何が起こったのか、何が残ったのか、文化的、精神的、政治的な文脈から、新しい文脈に適応し生き残ろうとする様子を観察しようとしている。彼の焦点は、人生、人と人、人と環境との社会的相互作用についての疑問であり、特定の現実から人や物が社会的プロセスに入り込み、共に関与するような状況を再構築しようとする。2022年のドクメンタ15でも《Vietnamese Picnic》を出品し、話題を呼んだ。

ゲスト:アウン・ミャッテ―/Aung Myat Htay
ミャンマー人アーティストミャッテーは1973年、ミャンマー・マンダレー生まれ。アーティスト、インディペンデント・キュレーター。幼少の頃より父親のもとでブロンズ彫刻の修行に励む。国営美術学校で美術教育を受け、ヤンゴンの芸術文化大学にて美術学士を取得。アメリカ、ヨーロッパ、アジアで国際的なレジデンスを行い、さらに研究を重ねる。美術講師として活動しながら、現代美術に見られる表現の自由の可能性を探求し、伝統的な造形に現代的な感覚を取り入れ、社会的なメッセージを表現している。SOCAオルタナティブ・アート・ラーニング・プログラムの創設者であり、ミャンマーのアートコミュニティではアーティスト兼キュレーターとしてもよく知られている。「Calling Memory」(2012年、黄金町バザール2012、横浜、日本)にも参加。

ゲスト:福住廉



マップ


『サバイバル複合芸術 ー Survive with Transdisciplinary-Arts』

秋田公立美術大学の博士課程学生が企画「生」に関する4つのセッションを行います。
詳細についてはこちらからご確認いただけます。各セッションで取り扱う生をめぐる問題は、アートとあらゆる専門領域が密接に結びつきながら展開されています。本企画では、日常生活で体感している資本主義システムにおける一義的な生だけでなく、様々に営まれている「多層的な生の存続」(サバイバル)について、複合芸術の視点から見つめ直していくことを試みます。

複合芸術会議2023 サバイバル複合芸術

vol.3、vol.4の情報も、本webサイトで随時公開していきます。

問い合わせ先: icta_aa@akibi.ac.jp