2022年2月16日(水)から2月20日(日)にかけて、秋田公立美術大学大学院 複合芸術研究科 : 修了研究展 2022を開催しました。


 複合芸術研究科は、秋田公立美術大学卒業・修了展2022において第4期生による修了研究展を開催します。多様な専門領域の経験と視座から「複合芸術」を研究する本研究科において、異なる専門性をもつ私たちは同じカリキュラムと同じ時間を共有し、影響を与え合いながら自身の専門性を一層深めてきました。自らが専門としてきた領域の外部に越境して様々な領域の実践手法を学ぶことは、従来の文化芸術の文脈から跳躍した新たな視座をもたらすものです。
 私たち4期生が過ごした日々は新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延によって社会の姿が大きく変化した2年間でした。施設使用の制限、集団での活動の機会の喪失など、大学院において研究・表現の活動を進める上で圧倒的に不利な状況が私たちの前に立ち現れ、そして不可視の感染症に対する未経験の不安と緊張と共に過ごしてきました。しかし、私たちは、「ないからこそつくる」という切実な欲求を持つことで「表現とは何か」という根源的な問いをあらためて自らの課題として引き受け、各自の研究に取り組んできました。たとえこれまでのグループダイナミクスによる研究・実践の活動形態が得られなくとも、個人間の対話を積み重ねることでより確かな密度を持つ領域複合の実践が可能になることを実感しています。不確実な社会の状態に対する応答として築き上げてきた私たち一人一人の研究成果を、ご高覧ください。

複合芸術研究科4期生一同


【会期】
2022年2月16日(水) - 2月20日(日) 10:00-18:00(最終入場17:30)
・初日は開場13:00
・最終日は閉場17:00(最終入場16:30)
・休館日なし

【入場料】
入場料無料

【会場】
秋田市文化創造館2F スタジオB
〒010-0875 秋田県秋田市千秋明徳町3-16

【アクセス】
電車:秋田駅西口より徒歩10分
秋田中央交通 路線バス:「千秋公園入口」バス停下車 徒歩5分
自動車:秋田自動車道秋田中央ICより約10分
※車でご来場される場合は、近隣の有料駐車場をご利用ください。


秋田市文化創造館


【SNS】
Linktree_akibi_gradschool


【イベント情報】
※イベントは全て終了しました

■ オープニングセレモニー
日時:2022年2月16日(水) 13:00-13:30
会場:秋田市文化創造館1F コミュニティスペース

■ トークイベント
日時:2022年2月19日(土) 15:30-17:00
視聴方法:ZOOM配信
※参加申込 は2/13(日)までにお申し込みフォームよりお申し込みください
 お申し込みフォーム
ゲスト:福住廉
聞き手︙岩井成昭
主催:秋田公立美術大学卒業・修了展2022


【秋田公立美術大学学生・関係者向けイベント情報】
■「パフォーマンスをつくるヒント」
日時:2022年2月 17日(木) 13:00-15:00
対象・視聴方法:秋田公立美術大学学生・関係者を対象にZOOM配信
※参加申込 は2/13(日)までにお申し込みフォームよりお申し込みください
 お申し込みフォーム
ゲスト:外山有茉
主催:秋田公立美術大学卒業・修了展2022
企画:向三軒両隣
お問い合わせ:mukousangenryodonari@gmail.com

<概要>
昨今、美術館やギャラリーでパフォーマンス作品を見ることのできる機会が増えてきました。パフォーマンスは非常に多義的な言葉ですが、いま私たちが「パフォーマンス」と聞いて思い描く形態はいつ頃生まれ、そしてどのように展開してきたのでしょうか?過去のさまざまな作品を道標に、パフォーマーと観客との関係、1回性/再演、ジェンダーのパフォーマティヴィティなど、これからパフォーマンスを見る/作る上で参考になるであろう理論や枠組みを紹介します。

<講師紹介>
外山有茉(キュレーター)
十和田市現代美術館アシスタント・キュレーター。ロンドン大学ゴールドスミスでコンテンポラリー・アート・セオリーを修了後、茨城県北芸術祭キュレトリアル・アシスタント、アーカスプロジェクト コーディネーターなどを経て、2021年より十和田市現代美術館に勤務。



■「制作を成立させているものを顧みる : 絡まり・偶然・交雑性からアートを考える」
日時:2022年2月 17日(木) 15:30-16:20 レクチャー、16:30-18:00 ワークショップ
対象・視聴方法:秋田公立美術大学学生・関係者を対象にZOOM配信
※レクチャー参加申込 は2/13(日)までにお申し込みフォームよりお申し込みください
 お申し込みフォーム
※ワークショップは 先着10名まで ( 聴講は人数制限なし )
 ワークショップ参加希望の方は事前課題をご確認ください。
ゲスト:飯岡陸
主催:秋田公立美術大学卒業・修了展2022
企画:向三軒両隣
お問い合わせ:mukousangenryodonari@gmail.com

<概要>
制作=作品は独立して存在しているのではなく、さまざまな文化的な背景、美術史的な影響関係や物理的な条件のうえに成りたっているはずです。現代において、その「絡みあい」をどのように考えることができるのでしょうか?短いレクチャーと参加者が用意したダイアグラムを使ったワークショップを通して考えてみたいと思います。
ワークショップ参加希望者は下記URLより課題内容を確認のうえ、2月13日(日)までに事前課題(ダイアグラム)をmukousangenryodonari@gmail.comまでご提出ください。
課題内容:google.docs

<講師紹介>
飯岡陸 / Riku Iioka(キュレーター、森美術館勤務)
1992年生まれ。アーティストと共に考えること、実践としての倫理に関心を寄せる。主な企画展に、2016年「新しいルーブ・ゴールドバーグ・マシーン」(KAYOKOYUKI・駒込倉庫、東京)、「渡邊庸平:猫の肌理、雲が裏返る光」(駒込倉庫、東京)、19年「凍りつく窓:生活と芸術」(CAGE GALLERY、東京)、21年「せんと、らせんと、:6人のアーティスト、4人のキュレーター」(札幌大通地下ギャラリー500m美術館、四方幸子、柴田尚、長谷川新との共同キュレーション)。『美術手帖』WEB版にて20-21年の展覧会レビューを担当したほか、本誌22年2月号「ケアの思想とアート」特集に小論「批評としての《ケア》」を寄稿。



■「つくる心と人生の相談所」
日時:2022年2月17日(木) 13:30-18:00、2月18日(金) 13:30-18:00
対象・視聴方法:秋田公立美術大学学生・関係者を対象にZOOM配信
※事前予約は2/7までにお申し込みフォームよりお申し込みください
 お申し込みフォーム
*当日予約も可
ゲスト:長谷川新、西原珉
主催:秋田公立美術大学卒業・修了展2022
企画:向三軒両隣
お問い合わせ:mukousangenryodonari@gmail.com

<概要>
美術館に所属しない「インディペンデントキュレーター」はどんな仕事をする人だと思いますか。展覧会を企画する人?アーティストを「選ぶ」人?批評を書く人?審査をする人?ーーアーティストとキュレーターの関係は、単に展覧会に「呼ぶ/呼ばれる」といった関係には決して留まりません。実現不可能に見えるプロジェクトを一緒に具体化していったり、表現するためのそもそもの前提を時間をかけて固めていったり、展覧会の「手前」にも、展覧会の「向こう」にも、キュレーターがやれることがたくさんあります。というわけで相談会です。なんでも相談しにきてください。おしゃべりしましょう。

<講師紹介>
長谷川新 / Arata Hasegawa (インディペンデントキュレーター)
1988年生まれ。インディペンデントキュレーター。京都大学総合人間学部卒業。主な企画に「無人島にて—「80年代」の彫刻/立体/インスタレーション」(2014年)、「パレ・ド・キョート/現実のたてる音」(2015年)、「クロニクル、クロニクル!」(2016-2017年)、「不純物と免疫」(2017-2018年)、「STAYTUNE/D」(2019年)、「グランリバース」(2019年-)、「約束の凝集」(2020-2021年)など。国立民族学博物館共同研究員。日本写真芸術専門学校講師。PARADISE AIRゲストキュレーター。相談所SNZを準備中。

西原珉 / Min Nishihara (インディペンデントキュレーター)
1990年代までライター、評論、キュレーションで活動した後、渡米。アートマネージメントをしつつ、ロサンゼルスの福祉事務所でソーシャルワーカー兼メンタルヘルスセラピストとして働く。個人・グループ対象に認知行動療法、危機介入、家族療法、芸術療法、遊戯療法を含むセラピー全般を行うほか、低所得者住宅、DVシェルター、シニアホーム、コミュニティセンターなどでソーシャルワークとしてのアートプロジェクトを企画実施。2021年より秋田公立美術大学教授(曽根博美)。米国カリフォルニア州臨床心理療法士免許(LMFT no.112320)



■ 福住廉氏による公開講評
日時:2022年2月19日(土) 13:00-14:30  
対象・視聴方法:秋田公立美術大学学生・関係者を対象にZOOM配信
※参加申込 は2/13(日)までにお申し込みフォームよりお申し込みください
 お申し込みフォーム
ゲスト:福住廉
聞き手︙岩井成昭
主催:秋田公立美術大学卒業・修了展2022

<概要>
修了研究展展示作品を学生がオンラインで発表。美術評論家の福住廉氏による公開講評を行います。


【主催】秋田公立美術大学卒業・修了展2022実行委員会/秋田公立美術大学
【後援】秋田市
   秋田魁新報社
   NHK秋田放送局
   ABS秋田放送
   AKT秋田テレビ
   AAB秋田朝日放送
   CNA秋田ケーブルテレビ
   あきびネット
【お問い合わせ】秋田公立美術大学事務局学生課 TEL:018-888-8105(平日8:30-17:15)


【注意事項】
※1 ご来場の際は、マスクの着用と手指の消毒にご協力ください。
※2 新型コロナウイルス感染症の影響で展覧会・イベント内容が変更となる場合がございます。
※3 入場規制を行う場合がございます。あらかじめご了承ください。



開会式の様子


展覧会風景


講評会の様子