野呂祐人(2016)

野呂祐人(2016)

アーツ&ルーツ専攻/2016年度卒/情報科学芸術大学院大学[IAMAS]進学

『地図にない道を行く』

 ギリギリまで秋田にいようかな、と。未練タラタラなんで。まだリサーチしたいと言うか、もう一年位いたいですね。秋田に4年住んで、地元の北海道とは全然違うなと思いますね。北海道は文化がごちゃ混ぜなんで。秋田の文化はしっかりしているけど、ぱっと来ただけでは見えてこないところが面白さでもあり課題でもあると思いますね。
 秋美は大学の特性もあると思うんですけど、手探りで美術を学べたというのが良かったなと思っています。こうしたらいい、ああしたらいい、っていうのがなかったので。僕は高校で美術は学んでいなかったんですけど、高校からやってた人も考え方が変わったと言っていました。興味のあることができている、という人が結構いると思うし、他の大学より多いんじゃないかな。そこがいいかなと思いました。
卒制でいうと、ぶっちゃけ全然できてないんです。僕のプロジェクトの第一段階みたいなものが卒制になるのかな、と。次は単純にシステムとしての植物ではなくて、農作業だったり本当にどう関わってるかというところまで掘り下げたいと思っています。去年は単純に光合成をやってみよう、と思ってたんですけど、一つはっきりしたことがあって、「植物」をメディアとして捉えようという思いが生まれました。なんでかというと、植物が酸素を吐いたり、光合成して植物自身が育って行って、その酸素を動物が吸うじゃないですか。しかも植物を動物が食べて、その動物を肉食動物が食べて、って太陽を介して僕たちに媒介してくれているものだと思うんです。その辺の機械よりも高尚なメディアが「植物」なんじゃないかと思って。来年からはハイテクとローテク、どっちも広げたいですね。やっとスタート地点です。卒展はスタート地点だと思います。やってみてやっとわかりました。
 秋美でみんな自分の興味と表現媒体を身に付けたり、最初の段階を手にしたと思うんですけど、それをどう社会に機能させていくのかというのはまた別の話で、それが卒展終わった日からの課題なのかなと思いますね。そういう意味もこめて卒業制作展の名前も『地図にない道を行く』って付けたんです。最初は僕たちの共通語ってなんだろうって話をしていて「モルモット」っていう単語が出たんです。1期生だし。でも卒展を考えてる中で、そうじゃないんじゃないか、僕らが自由にやってるだけなんじゃないか!って一気にジャンプして、『地図にない道を行く』になりました。

秋田に未練タラタラ。やっとスタート地点です。