本学教員が東小学校で図画工作科体験学習「感覚をとぎすます」ワークショップを開催しました。

  • アーツ&ルーツ専攻

本学アーツ&ルーツ専攻の村山准教授から、秋田市立東小学校で行った図画工作科体験学習「感覚をとぎすます」ワークショップの活動報告(兼業活動)がありましたので、ご紹介します。(以下、村山准教授から提出があった報告書の原文です。)

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図画工作科体験学習「感覚をとぎすます」ワークショップ

2022年10月14日(金)
秋田市立東小学校
対象:6年生、75名
講師:村山修二郎

図画工作では、絵の具や筆とペンなどを使い絵を描いたりハサミで切ったりして工作するアカデミックな造形表現がありますが、必ずしもそれだけではありません。身体の感覚を開き「感覚をとぎすます」ように、その人なりの感性で思う存分に自由に表現することで、人と違って良いのだと言うことを体感することが大切です。

今回の体験学習では、模造紙1枚を一人ひとりが手で自由な形に切り破き、私だけの形の紙をつくります。そして、外に出て校庭の植物をその紙に手で擦り付けて自由に絵を描きます。この手法は「緑画(りょくが)」と村山が名付け、絵画技法として形式化したものです。植物を採取して地面に紙を置いて描く行為は、その環境での感覚や現場でのやり取りにより、五感を必然として使うことになります。創意工夫を「感覚をとぎすます」ように自然にできるのです。

そして、描いた絵を校庭の真ん中に敷いて寝ます。空を見上げて寝るだけです。描いた絵の草の香りを嗅ぎながら地の自然を体感するのです。

そして、目を閉じて歩きます。見えない世界を体感しながら歩く行為から、怖さと共に音と風をダイレクトに感じ「感覚をとぎすます」ことになります。

東小6年生の皆さんが、今まで眠っていた感覚が呼び覚まされ、あそび心と子ども心から楽しく、感覚を解放することは豊かであると言う気づきが少しでも育まれたのであれば嬉しいです。

最後に、校庭の真ん中で皆で手をつないで輪をつくります。皆の手の感触はきっと感覚を喚起し、人と人がつながることの温もりや嬉しさなども感じてくれたのではないでしょうか?