研究活動

学長プロジェクト研究費の成果公開

本学では学長プロジェクト研究費(学内研究費)として、科学研究費助成事業の獲得を視野に入れた「競争的研究費」と、プロジェクト型の「芸術表現企画事業費」を配分しております。 研究成果の公開を通して、地域や研究機関の皆様に本学の取組をご紹介します。
※五十音順。所属・職位は令和7年度時点。

令和7年度競争的研究費

研究課題名:アートを媒介としたダイアロジカルなコミュニティケアに関する実践研究

研究代表者:ものづくりデザイン専攻 教授 安藤 郁子

研究概要

本研究は、対話実践の学びを学内から地域へと展開し、アートを媒介とした「コミュニティケア」の可能性を探索するものである。本年度は、アートを媒介としたダイアロジカル(対話的)なケアが成立するための基盤整備として、以下の4点を中心に活動を展開した。
・学生を中心メンバーに据え、継続的な対話の学びの場を構築。
・「地域交流イベント たきびっこ」を企画・開催し、多世代交流の場を創出。
・秋田県立近代美術館での「対話ラボ」を実施し、一般参加者と共にアートを通じた対話の場を形成。
・「アートリンクうちのあかり」のコミュニティを観察対象とし、そのありようを言語化・編集して冊子に集約。
これら一連の活動を通じ、秋田地域におけるケアとアートに関わるネットワークを、単なる組織の繋がりではなく、相互に影響し合う「生き生きとした生命体としてのメッシュワーク」として捉えた。
今後は、秋田市新屋地域を拠点に、学生・住民・専門職といった多様な「当事者」と共に実践研究を継続する。このメッシュワークがいかに編み直され、変容していくかを観察することで、美術大学が寄与できる「地域全体のコミュニティケア」のモデルを提示していく。


研究課題名:限られた予算下での大学業務支援ローカル LLM 基盤の基礎的実験

研究代表者:大学院/コミュニケーションデザイン専攻 教授 飯倉 宏治

研究概要

 本研究は、個人情報・機密情報を外部に出せない大学事務の制約下で、ローカルな大規模言語モデル(LLM)による規程文書探索支援が成立するかを検討する基礎実験である。対象を「学内規程 PDF の探索・関連規程の抽出」に絞り、(1) PDF ファイルの前処理、(2)要約処理を用いたローカル LLM の理解可能性の確認、(3) 「学内情報のクラウド化」に関する影響可能性をスコアとする注意候補の抽出処理、(4) 人手による点検、というエージェント的ワークフローを設計・実装した。予備実験としてクラウド型高性能 LLM による PDF からマークダウン形式への変換も試行したが、文書構造の自動復元は不完全であり、現実的な運用においては生成 AI に依存しない PDF からテキストファイルへの変換が有用であることを確認した。当該変換プログラムを作成し、規程 174 件をテキスト化した上で LLM model runner でもある Ollama を用いて複数の AI モデルを比較し、速度・品質のバランスから nemotron-3-nano を主要モデルとして採用した。スコアリングにより解析ギャップが疑われる文書(全文書の約 14%)とクラウド制限確率が非ゼロの文書(全文書の約 18%)を抽出し、目視により論点の有無を確認した。結果として、直ちにクラウド化を禁止する規定は見当たらなかったが、一方、文書取扱い要件や委員会での検討といった運用上の注意点を含む規定を同定できた。以上により、ローカル LLM は規程探索の「候補抽出・論点提示」に有効だが、人手確認を前提とした点検プロトコル設計が不可欠であることもまた確認できた。


研究課題名:風がもたらす空間的な作用に関する視覚的表現手法の開発

研究代表者:景観デザイン専攻 助手 石田 駿太

研究概要

本研究では、風が空間構造によってどのように変化し、それがどのように認識されるのかについて、視覚的かつ体験的な手法を用いて検討を行った。

従来、風環境の理解にはCFD(数値流体解析)が用いられてきたが、これらは専門的な知識や計算環境を前提としており、一般の人が風と空間の関係を直感的に把握することは難しい。一方で、流体の可視化表現はメディアアートの分野でも多く試みられているが、多くの場合は「風の動きそのもの」を提示するにとどまり、空間との関係に着目したものは限定的であった。

そこで本研究では、「風の動きが空間によって変化し、それが人に認識される」という関係に着目し、リアルタイムに風の流れを可視化するシステムの開発を行った。

具体的には、2次元流体シミュレーション(Stable Fluids)を用い、空間内のオブジェクト配置をレーザーセンサーにより取得し、その情報をシミュレーションに反映する構成とした。これにより、参加者が物体を動かすことで空間構造が変化し、それに応じて風の流れも変化する状況を構築した。また、その結果を床面および壁面へのプロジェクションとして提示することで、風の流れを空間的に体験できる環境を実現した。

開発過程においては、当初粒子ベースの表現を試みたが、流体としての連続性や渦構造の表現に課題があったため、最終的に速度場に基づく流体シミュレーション手法へと移行した。この変更により、空間内での流れの変化をより自然に表現することが可能となった。


研究課題名:秋田県にかほ市における集落空間の形成史

研究代表者:景観デザイン専攻 准教授 石渡 雄士

研究概要

本研究は、秋田県にかほ市を対象に火山活動が形成した大地の特性と、その上で展開された人々の歴史や空間構造の関係を「テリトーリオ」や「領域史」の概念を用いて考察したものである。

地質の特性と集落立地の分析により、溶岩流エリアでは湧水が、岩屑なだれエリアでは緩やかな地形が、それぞれ特有の集落形態を規定していることを明らかにした。次に、山体崩壊で生じた「流れ山」に着目し、景観的評価が高い田園地帯にある九十九島だけでなく、これまで十分な評価がなされなかった市街地の流れ山を対象として調査を行った。

最初に中世から近世にかけて仁賀保氏が統治した地域を対象として、流れ山を含めた空間構造の変遷を分析した。中世の仁賀保氏は山城とその麓の院内集落を拠点とし、軍事的な地形と水資源を巧みに融合させた空間構造を構築した。近世に入ると拠点は院内から平沢の清水山へと移行する。この清水山は中世には軍事の要衝として利用され、近代以降も信仰の場として守られ、山麓の湧水は現在の地場産業を支えるなど、役割を変えながら地域の中心性を維持し続けている。

このように、市街地に点在する流れ山は、古代から現代までの歴史が重層的に堆積した、極めて貴重な地域資源であるといえる。本研究が提示した、大地の成り立ちと人々の営みを一体的に捉える視座は、地域のアイデンティティ再構築や、歴史的景観を活かした持続可能なまちづくりにおいて極めて有効な指針となる。


研究課題名:日本各地に現存する「相撲空間」の解明に向けた基礎的研究

研究代表者:景観デザイン専攻 准教授 井上 宗則

研究概要

本研究は、「現代日本において、文化的空間はいかに構築・維持・変容し得るか」という問いのもと、日本各地に現存する集落における土俵を中心とする空間(相撲空間)の空間的特性、地域文化・社会構造との関連性、維持・変容過程を明らかにし、伝統文化を活かしたまちづくりへの貢献を目指すものである。本年度は基礎調査と位置づけ、主に文献調査および現地調査を行った。
文献調査では、『相撲大辞典 第四版』をはじめとする先行研究を精査し、相撲空間のロングリスト作成に向けた事例の整理・拡充を進めるとともに、空間類型の検討に必要な分析視点の整理を行った。
現地調査は、東京都・島根県(隠岐諸島)・熊本県を対象に実施し、各地における相撲空間の立地環境・意匠的特徴等を記録した。
特に隠岐の島町では、集落内の相撲空間の悉皆調査を実施し、神社・学校施設を除く集落利用の土俵を11 事例確認した。これらの事例は、これまで調査を行ってきた奄美大島の事例との共通点が多く認められ、島嶼部における相撲空間に地域を超えた類型的傾向が存在する可能性を示唆する重要な知見が得られた。今後は比較事例をさらに拡充しながら相撲空間の類型化と地域的分布の解明を進める予定である。


研究課題名:フィンランドとの教員相互交流を通した人材育成プロジェクト2025
―教員間の信頼醸成による共同プロジェクトを柱として―

研究代表者:美術教育センター 教授 尾澤 勇

研究概要

本研究は、2014 年度から継続してきた秋田とフィンランド・エスポー市周辺の学校との美術教育交流を基盤に、これまでの作品交流や展覧会開催をさらに発展させ、教員相互の信頼関係を柱とした人材育成プロジェクトとして実施したものである。
令和7年11月29日から12月6日まで、フィンランド共和国エスポー市およびヘルシンキ市を訪問し、オムニア職業学校、エスポーンイヒテスルセオ高等学校において、本学紹介、秋田とフィンランドの教育交流展の歴史に関する講演、学生および助手によるアニメーション・ワークショップ、教育交流展の展示設営およびオープニングセレモニーへの参加を行った。あわせて、アールト大学、ヘルシンキ大学、建築・デザイン美術館、エスポー市文化・国際関係者等との意見交換を行い、今後の大学間交流、教職課程・美術教育・建築教育・博物館教育を視野に入れた国際連携の可能性を確認した。
本事業を通して、長年の交流により培われた教員間の信頼関係が、単なる訪問交流にとどまらず、共同の展覧会、講演、ワークショップ、大学・自治体との協議へと展開する実践的基盤であることが明らかとなった。また、本学学生が海外の教育現場において発表やワークショップを担うことで、主体性、表現力、異文化対応力を高める機会となり、本学の国際教育の特色を具体的に示す成果となった。
さらに、本学の競争的研究費は、科研費をはじめとする外部競争的研究資金の獲得に向けた足がかりとなる研究費である。本研究も、これまで継続してきた秋田とフィンランドとの造形教育交流の成果を基盤に、国際的な美術教育交流、教員養成、地域人材育成を学術研究として発展させることを意図して実施した。令和8年度科研費については、本研究の成果を踏まえて申請を行ったものの、今回は採択には至らなかった。今後は、本年度の成果と課題を踏まえ、学術的意義をさらに精査し、令和8年度の競争的研究費の取得および次年度以降の科研費採択につながる研究計画へと発展させていきたい。


研究課題名:風景の集団表象を獲得する芸術実践の実施

研究代表者:景観デザイン専攻 助手 折田 千秋

研究概要

本研究は、住民が風景に対して抱く「風景の集団表象」を獲得するために、住民との共創的な芸術実践「イメージ・ピクチャ」というワークショップを通じ、風景の印象色と思い出や体験を集めることを目的としている。このワークショップは認知心理学のスキーマという高次視覚でものごとを認知する概念を援用し、PCを用いてRGBによる色選びを行う。対象となる風景のエリアは秋田市全域と秋田公立美術大学周辺の新屋地区の二箇所に絞り、前者は7つの風景を、後者は5つの風景を題材とした。今年度は大きなワークショプを3回、個人での調査を7回実施し、合計で38人の方に参加していただいた。選ばれた印象色は全く同じものは存在せず、多様な様相となった。


研究課題名:「粘菌楽譜」の作成―図形楽譜を援用した心の聴覚器官の開発―

研究代表者:大学院 准教授 唐澤 太輔

研究概要

本研究では、いわゆる五線譜に記号(音符や拍子記号等)を付すといった人間によって正確に「計算」された(人為的な)ものではない、粘菌(変形菌、真正粘菌)という偶然性もしくは予測不可能性の極めて高い生物をモチーフとした、あるいはそこからインスピレーションを得た楽譜=「粘菌楽譜」を制作した。本研究では、大規模な実験器具や施設を要しない点が特徴の一つである。我々の多くは、そのようなものが無ければ、非人間の静かなる音を可聴化・音楽化できないという先入観を持っているが、実際には、もっと純粋に大胆にそして簡単に音を拾い上げることができるはずである。そのような目論見の下、研究代表者の設立した秋田公立美術大学粘菌研究クラブ(メンバー60 名:2026 年3 月現在)をプラットフォームにして、秋田市大森山公園での粘菌の採集観察会、ジョン・ケージ(John Milton Cage Jr. 1912-1992)やモートン・フェルトマン(Morton Feldman1926-1987)らの図形楽譜の技法や歴史を網羅的な調査、Pixelsynth を用いた楽譜と音楽の制作実験、粘菌の動態パターンをトレース、描写し、楽譜の作成を行なった。人間の隣人たる微小な生命体に目や耳を傾け、その音色(音調と色彩)を表現することは、私たちの想像力を大いに喚起させる。同時に、人間以外の他者への視座を深化させてくれるものでもある。私たちは、粘菌に思いを馳せながらその形をトレースし、いくつかの楽譜を作成した。しかし、この楽譜の演奏方法はまだ決まっていない。どのような楽器でどのように演奏するべきかに関しては、検討中である。


研究課題名:美術館における自然を題材とした現代写真作品の発表、及び展示方法の研究、写真ワークショップの実践」の実績について

研究代表者:コミュニケーションデザイン専攻 准教授 草彅 裕

研究概要

仙北市立角館町平福記念美術館企画展 草彅裕写真展「水を掬(むす)ぶ」は、開催地である仙北市立角館平福記念美術館(角館町)で実施した。角館町は作品群にとって重要な撮影地であると同時に、筆者の出身地であり、角館高等学校の創立に尽力した平福百穂氏を顕彰する同館の所在地であるため、個人的にも強い意義を有する会場であった。会期中の総入場者数は2,048名に達し、秋田魁新報をはじめ県内各種媒体で報道されたほか、NHK「ニュースこまち」での紹介や「IMA ONLINE」への掲載により全国的な関心を喚起し、都内からの来場者の来館も多く見られた。併催した写真ワークショップには地元高校写真部や県内大学生(本学含む)が参加し、美術館と地域、鑑賞者間の交流に寄与した。

展示構成は、過去20年間にわたり「水」を主題として制作した計110点をシリーズごとに選抜し、時間的・主題的な連続性を意図して配列した。また本展は、富士フイルムスクウェアおよび秋田市文化創造館での秋田市・パッサウ市姉妹都市提携40周年記念写真展など、これまでに実施した複数のプロジェクトの集大成としての側面を有する。本展を通じて、撮影手法、展示方法、教育普及活動に関する多くの発見と課題を得ることができた。


研究課題名:手作業を補綴するデジタルコンテンツ「PANALOG」の開発と社会実装に関する研究

研究代表者:ビジュアルアーツ専攻 助教 高橋 卓久真

研究概要

本研究では、地域を歩く過程で生じる印象や情動を、どのように持続可能な地域記録として保存および、共有し得るのかを主題として、紙媒体と情報技術を接続する記録方法論の検討と、その社会実装に向けたアプリケーション開発を行った。研究の出発点には、「地域は誰にとっても同じように知覚されているわけではない」という現象学的視点がある。同じ道、建物、風景、生活環境であっても、歩行者ごとに注意を向ける対象、記録したい瞬間、抱く感情は異なる。本研究では、こうした差異を単なる個人的感想として扱うのではなく、地域を多層的に理解するための重要なメタ情報として捉えた。

その上で、本研究では、紙媒体によるトラベルノート制作を主軸に据えつつ、その前段階を支援する補綴的なデジタル環境を提案した。一般的なデジタルアーカイブが、紙面上で行われる記録をデジタル方式へ置き換える方向に進むのに対し、本研究では、紙の保存性、身体性、編集可能性を再評価し、情報技術を紙媒体の代替ではなく、紙への記録を支援する道具として位置づけた。具体的には、歩行中に得た印象、写真、位置情報などを簡易的に記録し、後にトラベルノートへ展開を簡易的にするアプリケーションを試作した。

本研究の成果は、単なる記録アプリの開発に留まらず、ユーザごとに異なる記録地点や印象情報を地図上に蓄積することで、地域に対する個別的な感情や関心の分布を可視化し、「感情地図」として展開する可能性を示した点に意義があると考える。これにより、観光名所や既存のルート情報では捉えきれない、個人の経験に基づく地域理解や、新たな回遊ルートの提案が可能となる。以上より、本研究は、地域経験の差異を記録・共有・継承するための新たな基盤を提示し、地域文化の記録、生活者視点のアーカイブ、ならびに地域資源の再発見に寄与する研究成果を得た。


研究課題名:南宋花鳥画における制作技法の解明ー実践を通してー

研究代表者:アーツ&ルーツ専攻 助手 中田 日菜子

研究概要

中国・南宋時代の院体花鳥画は、徹底した対象観察に基づく精緻な筆致と繊細な彩色技法によって独自の様式を確立した。本研究では、南宋花鳥画に用いられた制作技法を明らかにすることを目的とする。研究方法として、文献調査および作品調査に加え、模写制作という実践的手法を用いる。その具体的な描法を解明することで、美術史研究に新たな視点を提供することを目指す。
これにより具体的な描法を明らかにし、美術史研究に新たな視点を提供することを目指す。本研究では、その実態を具体的に把握するため、大和文華館所蔵・毛益筆「蜀葵遊猫図」(重要文化財)を対象とし、現状模写および想定復元模写の制作を行った。模写にあたっては、可能な限り当時と同種の材料および技法を用いた。
その結果、猫の毛並みに見られる毛描きと裏彩色の併用や、植物表現における染料と顔料の重層的な使用などの技法が確認された。また、経年変化によって現在の画面印象が大きく変化している可能性が示され、制作当初の色彩や空間構成を再検討する必要性が明らかとなった。
以上より、本研究は模写を通じて南宋花鳥画の技法的特質を実証的に捉え直し、作品理解の深化に寄与するものである。


研究課題名:古代飛鳥時代のブロンズ鋳造技法から現代彫刻(ブロンズ鋳造)を研究する。及び北東北(北海道)縄文土器・土偶から発想を得た現代彫刻の個展発表。

研究代表者:アーツ&ルーツ専攻 教授 皆川 嘉博

研究概要

北東北(北海道)の縄文土器・土偶を改めてリサーチをして、彫刻制作に結びつく部分を洗い出す。大湯環状列石、伊勢堂岱遺跡を訪れ、遺跡の撮影をした。と同時に、彫刻の構想デッサンをする。雄物川郷土資料館を中心に、雄物川流域の縄文遺跡も改めて見て回った。

奈良の飛鳥寺、興福寺、東大寺、中宮寺、法隆寺の仏像を調査した。特に飛鳥寺の飛鳥大仏、興福寺の山田寺の仏頭を調査した。

飛鳥寺には日本最古の仏像、飛鳥大仏を調査した。実際にお堂内で飛鳥大仏をクロッキーした。

アーモンド型の目、微かに微笑を浮かべるアルカイックスマイル、そして3メートル近い大きさ、見るものを圧倒する造形の力を感じた。このような素晴らしい仏像が現存していることは奇跡に近いと感じた。お寺の方に飛鳥大仏の詳細について説明を受けた。鎮座している岩が当時の場所から動いていないことにより、この大仏は創建当時からこの場所に在り、そこに深い感銘を受けた。また、調査は道半ばではあるが、古代鋳造の技法も今後も研究していきたい。

 仏像の調査の後、実際に彫刻作品を制作した。陶作品である。この作品は発表までには至らなかった。

個展発表には至らなかったが、10月〜12月に、秋田市赤れんが郷土館の企画展「秋田アーツ&クラフツ」展(4人展)に参加した。その中で、今回研究した作品を含めて発表をした。

2月には「彫刻家4人の世界展」に参加し、今年度の成果物をまとめた、リーフレットを刊行した。


研究課題名:ファッション写真と人権意識:視覚表象から読み解く社会の変容

研究代表者:ビジュアルアーツ専攻 助教 村上 由鶴

研究概要

本研究は、ファッション写真が時代ごとの人権意識や「理想的な身体」をどのように表象してきたかを、歴史的・構造的な視点から分析するものである。写真表現を通じた身体やジェンダー等に関する社会的な規範の変容を明らかにするための活動の一環として、ファッション写真についての言論をより活発なものにしていくことを目指した。

年表作成と並行し、トークとレクチャーのイベントシリーズ「Fashion Image Roundtable」を立ち上げ、第1回となるイベントでは、インディペンデントマガジンの編集者とファッション研究者を招き、「ルッキズム」が蔓延し、ジェンダー規範が強固な社会において「ファッション写真の見方」をテーマにした議論を通じて、研究の社会的還元と対話の場を創出した。



令和7年度芸術表現企画事業

事業名:モノゴトの循環と終末を探る「プロジェクトGoodbye」―制作プロセスからアーカイブまで―

事業代表者:アーツ&ルーツ専攻 教授 藤 浩志

研究概要

人の手によって作られてきた、モノ・コトの循環とその終わり方、見送り方、残し方について探るプロジェクト型の事業。

生活用品、プラスチック素材、エネルギーを作る設備、都市施設、美術作品、そして遺骨などの廃棄物の循環、保存、収蔵、そして送り方、見届け方、残し方について、各方面で実践している方々のアイデアや問題意識、意見を集め、廃棄物素材とそのインタビューなどの事業の結果を秋田市文化創造館のA1を活用した美術表現空間として展開した。


過年度の研究成果

令和5年度以前
競争的研究費
芸術表現企画事業

 

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