美術学部 美術学科コミュニケーションデザイン専攻

「つくる・伝える」すべてとつながる

コミュニケーションデザイン専攻では、コミュニケーションに内在する今日的な課題に取り組むための思考と表現について、ビジュアルデザインの立場から研究します。課題の発見から企画、調査、計画、提案、制作、フィードバックまでの一連のプロセスを踏まえながら、幅広い観点から現代社会のあるべき姿を探求します。また、個人から発信される様々な情報のパラダイム(支配的な捉え方)を組み替えることによって、現代社会における新しい「個人」像の形成に寄与します。タイポグラフィ、パッケージ、ポスター、エディトリアル、ウェブ、イラストレーション、3DCG、広告、映像等、それぞれの表現媒体に応じた具体的な課題制作を通じてデザインを学び、同時にこれらを横断して、情報の流れを構想し設計する広報や企画といった高度な作業へと展開する思考能力も身に付けていきます。社会を大きく捉え、変革するデザイナーやアートディレクター、クリエーティブディレクターの育成を目指します。

コミュニケーションデザイン専攻

専門科目の紹介

3年

コミュニケーションデザイン論A
地域の優れた資源と文化を売り出すためのコミュニケーションデザインの役割を理解する。その上で、「地域社会の現状」と「課題の認識」、「課題発見・解決」に至るまでの事例を挙げながら探っていく。また、現役のアートディレクターを招き地域社会とコミュニケーションデザインの関係性についても詳しく学ぶ。
 コミュニケーションデザイン論B
近年の事例では、先端技術の発展よりもコミュニケーションデザイン開発の重要性が注目されている。古今東西様々な事例に触れることで、コミュニケーションデザインの考え方を解説する。そのことでデザインに関する視野と思考方法を獲得する。一方で各自がその志向と適正を見極め、確固たる得意分野の構築に向けた考察の場とする。
コミュニケーションデザイン演習A1
「ブランディング」をテーマとして、デザインコンセプトの設定から具体的なデザイン提案に至る一連のデザインプロセスに基づき課題研究を進める。グラフィックデザイン、ウェブデザイン、パッケージデザイン、映像デザイン等の各専門分野における個々の表現方法の習熟を深めながら、これらを横断的に連携し、多様かつ複合的な表現展開による効果的なデザイン成果の具現化である「作品」およびその「制作報告書」を授業成果とする。
コミュニケーションデザイン演習B1
人工知能(AI)の役割が人間の職域に拡大する中、侵されない領域はクリエイティビティであると捉える。IT技術によって地方から世界に発信することが可能である。一方日本では産業や人口の構造変化が起こり、年や街、人の生活のあり方が問われている。このような現代の社会状況に対応するため、単なる技法の修得を超えてあらゆるメディアに応用可能な情報理解と表現技術を学ぶ。さらに個人が設定するキャリア志向の核となる技術の訓練と表現、最適な展示方法を学ぶ。
コミュニケーションデザイン演習A2
テーマの設定からデザイン成果の具現化に至る一連の制作プロセスに受講者が個別に取り組む。地域・社会の現状からデザイン対象としての課題を見出し、利便性や快適性、認知性、効率性、安全性、または操作性を具体的なデザイン解決策として表すことについて課題制作を通じて学ぶ。デザイン案の具現化である「作品」およびその「制作報告書」を授業成果とする。
コミュニケーションデザイン演習B2
「CM制作」では、あらゆるメディア表現が可能な動画作成技術を学ぶ。「WEBポートフォリオ制作」では、IT技法よりも受け手とのコミュニケーションを目的としたディレクションを追求する。「技術講習」では個人のキャリア志向の核となる技術となるための課題を行う。最後の課題ではそれまでの学びを集大成する制作と展示を求める。ある「作品」およびその「制作報告書」を授業成果とする。

4年

コミュニケーションデザイン演習A3
各自が学んできた素材に対する知識と技術・デザイン能力を起点に、地域産業や地域文化の特性をおおらかに再解釈し、人々の日々の営みに関わる作品を制作する。またグループワークを通じ、多様性に対する理解や、コミュニケーション能力・多角的に対象を観察する感覚を磨き、発想や表現の柔軟性を育成する。
コミュニケーションデザイン演習B3
本演習では個人のキャリア志向や適正を尊重し学びを深める。各自がテーマや課題を設定しデザイン表現に臨む。デザイン表現のメディアや手段を問わず「観察力」「思考力」「伝える力」を修得する。また、各自が取材や制作を行う過程を共有することで、相乗効果の高い表現力の修得を目指す。
卒業研究
コミュニケーションデザイン演習1、2、3で体得した能力をベースに研究活動を展開する。また、コンセプト設定からデザイン提案までの全てのプロセスを自主的に展開するとともに、プレゼンテーション能力と完成を高めることを目的に研究活動を行う。

取得可能な資格

  • 中学校教諭一種免許状(美術)
  • 高等学校教諭一種免許状(美術)
  • 高等学校教諭一種免許状(工芸)
  • 博物館学芸員

卒業後の進路

各種デザインのスキルを持ち、新たなデザインを生み出したり、地域の活性化に寄与したりすることのできるデザイナーを育成します。また、美術に特化した専門職業以外のいわゆる一般職(公務員や一般企業の社員)においても、専攻で培った専門性をいかせるように支援します。
具体的には、個人事務所を構えるデザイナー、イラストレーター、デザイン事務所・広告会社・放送局・音楽映像制作会社・ゲーム会社・出版印刷会社・新聞社・ウェブデザイン会社等で働くデザイナー、美術の教員などを輩出します。

主な進路実績

(一般企業等)
株式会社アドウェイズ、株式会社アマナフォトグラフィ、株式会社アレクト、株式会社伊藤染工場、有限会社カイカイキキ、株式会社GAKIproAstudio、株式会社カフェレオホールディングス、株式会社カプコン、ジェイアール東海エージェンシー、株式会社バンダイナムコスタジオ、プラチナゲームズ株式会社、株式会社メンバーズ

(公務員、教員)
横手市役所、仙台市教育委員会

(進学)
秋田公立美術大学大学院、上越教育大学大学院
※そのほか、作家活動等をしている卒業生もおります。