地域醸造家とは何か まじわり、かもす

発酵は大豆や米などが菌と触れ合い、酒や味噌などへと変容する現象です。醸造家は素材や菌、温度や湿度を組み合わせ素材以上の味を引き出します。そこに着想を得て、地域の様々な資源、因子などを発見し、掛け合わせて新たなものへと変容させる人材を「エリアブリュワー・地域醸造家」と名付けました。これは一緒にその意味について迫った全5回の講座の記録です。

ワークショップ&フィールドワーク「地域の因子を採取する」

形式
ワークショップ&フィールドワーク
会場
Hostel & Bar CAMOSIBA 及び周辺
(秋田県横手市十文字町曙町7-3 0182-23-5336)
定員
受講登録者
講師
まちづくりファシリテーター 平元美沙緒
ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室准主任研究員 大澤寅雄

講座レポート



第二回目の「地域の因子を採取する」。
ワークショップとフィールドワークにより、十文字、特に十文字駅西側のHostel & Bar CAMOSIBAの極めて近辺の地域因子の採取や、地域因子の採取の際に考えるべきことなどを学びました。

 

午前中のワークショップは、平元美沙緒さんを第1回同様に講師としてお迎えしました。前回のコラージュワークや情報誌の中から出てきた単語や十文字の噂話しなどの対話から十文字の気になる地域因子を採取しました。様々な年代、出身の方々が参加されているため、ある集落ではお盆の風習としてナスやキュウリのみじん切りを撒き散らす行事があることや、さくらんぼやりんごの果樹園が多いこと、歯医者さんが多いことなどが話題となました。


対話で得られた十文字の情報を地域因子として、横軸(希少←→夥多)と縦軸(影響力大←→影響力小)のマトリックスに当てはめていきました。最後は一番気になる因子にマークした時、グループによっては〈希少ではあるが普段は影響力の小さいもの〉にマークが集中しました。今の秋田や時代のニーズとしておよそ想像される価値観と個々が意識する好みは必ずしも合致せず、価値観の多様性を垣間見る面白い事例となりました。


午後からは文化政策マネジメントの大澤寅雄さんが講師となり、「地域因子を五感を使って採取する」フィールドワークをしました。十文字の街に足を伸ばし、①個人ワーク:おもむくままにまち歩き②2人ワーク:気になった場所を紹介しながらまち歩き③3人ワーク:さらに気になった場所をまち歩き~といった方法をとることによって、個人で気づいたことと個人では分からない部分を共有しながら進めていきました。


地元の商店の人と会話をしたり、屋上から謎のストーンサークルが見えたり、消火栓の高さが繰り上げられているという気づきから地形が作り上げられた変遷を辿ってみたり、何気なく辿った路地が面白い看板や音に溢れていたりと机上では獲得できない情報が集まりました。さらにひとのリアクションがつくことで、情報に深みが増していきました。


会話することによって得た情報と自分たちの目と足と手と味覚で得た情報はギャップともに好奇心を掻き立てられるものでした。次回からはこれらの地域因子を掛け合わせる工程に移ります。

(永沢碧衣)

横手かまくらFM紹介

「ア・ラ・美JOY」2017.10.13放送
メインパーソナリティ 岩澤亜沙美
(再生時間40:32)

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