複合芸術研究科の広報誌『TRANS』を創刊しました。

このたび複合芸術科の広報誌として『TRANS』を創刊しました。本記事末尾にてPDFデータも公開しております。ぜひご覧ください。



創刊のことば

CompositeではなくTransdisciplinary──。複合芸術の複合とは、たんなる表現や理論、素材や方法の「合成」ではありません。外部に「越境」し、他者に学び、自己を変容させながら育んだ思想を未来へ再配置すること。大学院複合芸術研究科は、これらの創造的な道のりを歩むことを複合芸術の研究活動として考えています。

2017年の開設以来、本研究科を足がかりに、さまざまな研究者や大学院生が複合芸術という未知の道程を切り開き、かつ歩んできました。本誌『TRANS』は、それらの足跡を振り返りつつ、一歩また一歩と、前へ前へと、それらの道筋をより広く、より深く開拓するビークルとして創刊したメディアです。一般的な広報誌にとどまらず、誌面においても複合芸術の実践を目指すという意味を込めて、その名称は『TRANS』としました。

かつて鶴見俊輔は「交叉路(クロスロード)」という考え方を示しました。初めから終わりまで、目的と方向を完全に限定するのではなく、その時々で道を共有すること。途中から合流してもいいし、別の道に逸れていってもかまわない。道そのものを交叉路として考えれば、越境する足取りもあるいは柔らかくなるのかもしれません。

秋田という辺境のトポスでいかなる複合/越境が生まれるのか、注目してください。

『TRANS』編集長 福住 廉