パソコンボランティアものがたり(その1)

秋田の山奥にある年老いた夫婦がおりました。
平成11年も11月になり、お爺さんはそろそろ年賀状の準備をしなければならないし、お婆さんは東京にいる一人息子の家族に(息子夫婦と男の子と女の子の孫たち)には、クリスマスプレゼントやら、秋田名物のきりたんぽでも送ってやりたいと思っておりました。
しかし、年老いた二人はもう目も悪く手もおぼつかないため、年賀状を書くのも大変です。
そして、車も持っていない為に、町にでて買い物をするのも大変だし、色々やりたいことはあってもなかなか出来ないでおりました。
そんな時、東京にいる息子から電話があってそのようなことを話したら、「だったらパソコンでも買ってみたら」と勧められ、「パソコンだったら年賀状だって簡単に出来るし、ショッピングだって町まで行かなくても出来るよ。」と教えられた夫婦は「それだったらちょっとやってみようか」と早速店に行ってパソコンを買ってきました。
(ここからは割愛して書きますが)
そして、お爺さんは年賀状に挑戦し、お婆さんは息子たちにきりたんぽ、孫たちにはクリスマスプレゼントをインターネットで注文し贈ることが出来ました。
やがて、東京にいる息子たちとは、電話代が安くすむように電子メールでメールの交換をやり始め、デジカメで撮った孫たちの写真が、メールで一緒に送られてくるのを楽しみに見ていました。
お爺さんは、村の仲間でやっているゲートボールの会費の集計やら、名簿管理やらをパソコンでやり始め村の仲間たちからは大変喜ばれました。すっかり元気になったお爺さんとお婆さんは、東京にいる息子たちや孫たちに会いに行く事を思いつき、時刻表ソフトで飛行機の時間と空席を調べ、チケットもインターネットで予約をして購入し、東京へ行って来ました。
それを見ていた近所のお年寄りたちが自分たちもパソコンをやってみたいと言い始め、でも誰か教えてくれる人が居ないかなぁと思っていたら、パソボラというのがあるよと息子に教えられ、ホームページで秋田県を調べて近所の人たちに教えてあげたとさ。
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