旅する地域考 2019夏編 未知の日常から、新たな問いと発見を生み出す。

旅する地域考 2019夏編 未知の日常から、新たな問いと発見を生み出す。

Tabiko News タビコウニュース

夏編レポート DAY2 

2019.8.2

 

 ついに始まった「旅する地域考 辺境を掘る夏編」。現場に同行しているスタッフがその様子をレポートします。

 

 

八幡平の湯治場を巡る

 

タビコウ夏編のキーワードは「地相」。この地域の地勢や地質が、暮らす人々の生活や文化にどのような影響をもたらすかを考察するプログラムが最初の4日間に組み込まれている。昔から湯治文化が根付いている鹿角は、市内だけで八幡平(はちまんたい)温泉郷、大湯温泉郷、湯瀬(ゆぜ)温泉郷という3つの温泉郷を有する温泉大国だ。

旅の2日目は早朝から午後にかけて、駆け足で八幡平の後生掛(ごしょうがけ)温泉、巨大なタービンで地熱を電力に変える澄川地熱発電所、鹿角から少し外れた仙北市にある玉川温泉、そしてこの日に宿泊する銭川温泉を巡った。

後生掛温泉の自然研究路は、先へ先へと足を進めるたびに景色が変わっていく。どこも地表がむき出しになっているのだけれど、噴気孔、ふっとう泉、湯沼などが点在して、土の質や湯の色もエリアごとに違う。「ドクン、ドクン」と一定のリズムで泥の表面が大きく波打つマッドポット(泥つぼ)は、地球が呼吸をしているみたいで、しばらく目が釘付けになった。「湯治場のふるさと」ともいわれる玉川温泉では、療養目的に地面にゴザを敷いて岩盤浴する人々の姿があった。また、銭川温泉は、1階がすべてオンドルになっていて、湯治客は真夏でもぽかぽかとあたたかい床に布団を敷いて寝ている。

鹿角市のエネルギー自給率は250%を超えるそうだ。硫黄の香りに包まれながら、足元には計り知れないぐらいの膨大なエネルギーが動いていることを、この1日で体感できた。

 

2019.8.2旅程

9:00|後生掛温泉 後生掛自然研究路を散策

11:00|澄川地熱発電所を見学

12:30|玉川温泉 自然研究路を散策

14:00|銭川温泉 メンター 西川智也さんによるレクチャー

15:00 | 銭川温泉 メンター フィリップ・バルドさんによるレクチャー

16:00|銭川温泉 メンター 岩間朝子さんによるクッキング・ワークショップ

         ~みんなで作った料理を夕食に

21:00 | 銭川温泉 メンター 岩間朝子さんによるレクチャー

 

 

文・写真/伊藤美生(編集班)

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