秋田公立美術大学 粘菌研究クラブによる展覧会「めぐり方のレシピ」とシンポジウム「粘菌の視座」(複合芸術会議2021vol.2)連動企画《派生する悦び》が開催されます。


この度、動物とも植物ともつかない粘摩訶不思議な生物=粘菌に魅了された学生たちによる展覧会「めぐり方のレシピ」が開催されます。粘菌には、バクテリアを捕食し動く変形体の時期と、キノコ状になって胞子を飛ばす子実体の時期があります。本展覧会は、この二つの時期をグルグルめぐる粘菌のライフサイクルをテーマにしています。シンポジウム(複合芸術会議2021vol.2)「粘菌の視座」では、クラブの1年間の活動報告と、アーティストの齋藤帆奈氏と三原聡一郎氏による講演およびディスカッションが行われます。展覧会とシンポジウム開催にあわせて、粘菌研究クラブの記録冊子『Cosmographia』も発刊されます。


【開催概要】
〈展覧会〉めぐり方のレシピ
● 会  期  2021年3月15日(月)~3月28 日(日)入場無料/会期中無休 
● 開場時間  11:00-18:00   
● 会  場  アラヤニノ 〒010-1637 秋田県秋田市新屋扇町84-27
● 参加作家  後藤那月・坪谷奈摘美・中村花・平山はな・山田汐音(本学美術学部1年生)、林文洲(本学大学院修士2年生)
● 主  催  秋田公立美術大学粘菌研究クラブ
● 協  力  大森山アートプロジェクト2020(秋田公立美術大学×秋田市大森山動物園)
● お問い合せ 秋田公立美術大学企画課 TEL:018-888-8478 Mail:kikaku@akibi.ac.jp


〈シンポジウム〉秋田公立美術大学大学院複合研究科 複合芸術会議2021 vol.2「粘菌の視座」
● 日  時   2021年3月15日(月)13:00~15:00 
秋田公立美術大学G1SよりYouTube 配信
● 参 加 費   無料
● 参加方法   秋田公立美術大学YouTube から視聴
https://www.youtube.com/c/AkitaUniversityofArt/ 
(本シンポジウム専用チャンネル開設予定)
●お問い合わせ 秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科 Mali:icta@akibi.ac.jp

● プログラム
1, 「粘菌研究クラブについて」唐澤太輔(本学教員:哲学者)
2, 「粘菌研究クラブの 1 年間の活動と展覧会について」林文洲(本学大学院修士2年生)
3, 「粘菌に関する番組制作について」山田汐音(本学美術学部1年生)
4, 「粘菌とアート」齊藤帆奈(アーティスト)
5, 「小さきもの達と芸術」三原聡一郎(アーティスト)
6, 「意見交換」柚木恵介(本学教員、アーティスト)(モデレーター)
総合司会:石倉敏明(本学教員、人類学者)、配信設備:萩原健一(本学教員、アーティスト)


〈シンポジウム〉ゲスト講演者

齋藤帆奈(SAITO Hanna)アーティスト
多摩美術大学工芸学科を卒業後、本格的にバイオアート領域での活動を開始。現在、東京大学大学院学際情報学府修士課程に在籍。近年では複数種の野生の粘菌を採取、培養し、研究と制作に用いている。主なテーマは、自然/社会、人間/非人間の区分の再考、表現者と表現対象の不可分性。 

三原聡一郎(MIHARA Soichiro)アーティスト
世界に対して開かれたシステムを提示し、音、泡、放射線、虹、微生物、苔、気流、土、水そして電子など、物質や現象の「芸術」 への読みかえを試みている。2011 年よりテクノロジーと社会の関係性を考察するために空白をテーマにしたプロジェクトを国内外で展開している。


● 趣旨
ここ数年、粘菌(変形菌、真正粘菌)の応用研究は、生物学の範囲を超え、交通工学や宇宙物理学にまで波及しています。またアートシーンにおいても、その数は決して多くはありませんが、何人かのアーティストが、特にバイオアートの分野で粘菌をテーマとした作品を発表しています。とは言え、まだまだその展開には余地、もっと言うならば、そこにはまだ見ぬ「人類未踏の可能性」が大いに残されています。2020 年5 月に発足した秋田公立美術大学「粘菌研究クラブ」は、粘菌とアートの複合とその新しい展開を目指し、これまで様々な活動を行ってきました。例えば、粘菌の生態に関する文献調査、海外での粘菌とアートとの接続事例調査、採集観察会(粘菌を探そう!ワークショップ(大森山アートプロジェクト2020))を開催しました。その後、同プロジェクトの映像制作チームとコラボレーションを行い、秋田ケーブルテレビ「びよ〜んTEREBI」での番組制作も行いました。このように、私たちは、粘菌の魅力と可能性を、アートを通じて探求し発表してきました。これらの試みは、秋田という自然豊かな地を存分に生かしたものであり、またそのプロセスとアウトプットの手法は、まさに複合芸術にふさわしいものとなりました。さらに私たちは、粘菌を客観的に観察するだけに止まらず、粘菌のもっと奥へと進もうとしています。「粘菌への視座」から「粘菌の視座」へ――。
この度、1 年間の活動の総括としてシンポジウムと展覧会を同時開催いたします。シンポジウムでは、粘菌研究クラブのメンバーによる活動報告の他、齋藤帆奈氏と三原聡一郎氏から粘菌や微生物などをテーマとしたアートについてお話いただきます。
唐澤太輔(本学准教授、哲学者)