石倉敏明(2015)

石倉敏明(2015)

アーツ&ルーツ専攻/芸術人類学、神話学

研究領域について教えて下さい。

私の研究は、「芸術人類学」と「神話学」という分野です。芸術人類学は、芸術を通じて人とは何かを考える学問です。神話は人類最初の哲学、まだ宗教や科学がない時代のはじめのメディアと言われています。神話を研究すると文化のルーツがダイレクトにわかるのです。両方研究することで文化のルーツを知りたいと思っています。
いわゆる「これまでの美大」で教えてきた芸術理論というものは、ルーツから切り離された人間を前提として語られてきました。しかし、考えてみると近代芸術がはじまる前から人間はものを作り、広い意味での芸術活動を行ってきたのです。幸い秋田という土地は、芸能や祭り、昔話、民謡、季節行事など、ルーツにはこと欠かない場所ですから、この場所を基盤として芸術を根本から見直したいと思っています。

どういう教育をしたいですか?

インターネット普及以前の価値観では、秋田は最新流行のアーティストの作品をみたり、アート市場の流行を追いかけるには不向きな場所と言われました。ですがそういう流行を追いかけるだけのアートはもう、過去のものです。幸い秋田では、大学や美術館の外に出れば豊かな民俗や自然、例えば野生的な、去勢されていない祭りや文化に出会うことができます。クマやカモシカやハタハタといった人間以外のキャラクターにも出会う機会が沢山あります(笑)。これは世界的にみてアートやクラフト、デザインのポジティブな条件だと確信しています。ここにしかない限界風土に存分に触れてもらって、他の誰にも作れないような作品を生み出してもらいたいです。

受験生に一言

教科書や先生の言っていることを鵜呑みにしないで、自分で考え、ものを作り、世界を切り開けるような人間になってください。そのためのサポートはここの教員はだれも惜しみません。