高嶺格(2015)

高嶺格(2015)

ビジュアルアーツ専攻/パフォーマンス・インスタレーションほか

就任していきなり、ドイツに一年間赴任することになりました。ドイツではいかがですか?

ベルリンのアーティストレジデンスに招聘され1年間いきました。先に秋美に就任する話が進んでいたので、はじめは無理だと思ったのですが、大学が私の活動を応援してくれて渡独出来ることになりました。仕事で海外にいくことはよくあるのですが、こんなに長期は初めてでした。
家族連れなので、アーティストとして仕事でいくのとは全く体験が違います。子供の学校のことなど居住するための手続きがたくさんあり、おまけに家族がベルリンで1人増えて6人の大所帯になったので、生活のための時間がたくさんかかりました。ドイツでひとつ象徴的だったのは、地図をみるとFKKって書いてある湖がいくつかあるんです。調べてみたら日本語では「自由身体文化」と書いてある。どうやらヌーディストビーチを指すらしい。名前に興味を引かれて行ってみたのですが、拍子抜けするくらいにのんびりした場所でした。
湖を囲んで、本当に純粋に、思い思いの休日を過ごしに来ているような風情です。全員が裸というわけでもなく、着ていたり着ていなかったり自由。注意書きの看板もなにもありません。とても静かで、もちろんエロとは無縁です。
FKKはもともと思想的な運動なのですが、僕にはここが本当に思想的な場所に思えました。参加する人が、自分たちでルールを作り、連帯することで自分たちの権利を守る。自分の意志で自分のライフスタイルを決定し、個々の考えやプライバシーは最大限に尊重される。ここにドイツ人の真骨頂を見た気がしました。裸になるとかならないとかは法律で縛られる対象ではない。意識が先行してそれに条例や法律がついて行くというのは健全なあり方ですね。こういうところは日本は本当に学ばなくちゃいけないと思います。

アートを目指す学生や受験生へのメッセージをお願いします。

目標の低い学生は来なくていいです。