今中隆介(2015)

今中隆介(2015)

ものづくりデザイン専攻/インテリアデザイン、ファニチャーデザイン、プロダクトデザイン

今中先生は元プロダウンヒルレーサー兼デザイナーという異色の経歴をお持ちです。当時はどんな生活でしたか?

(株)イリアに所属しインテリア設計をしていました。フリーハンドで図面を描く時代です。通勤に使っていたインラインスケートで夜中遊んでいて利き手を骨折しました。会社に行くとバカ!と怒鳴られ、放置されていたマッキントッシュを覚えCADを導入しました。
MTBダウンヒルは同僚から誘われて始めました。未経験にもかかわらず全日本シリーズに参戦し初めてのレースで120人中22位になり、これはいけると思ってしまいました(笑)。
終電までデザイナーとして仕事をしながら、練習もせずに週末レーサーを続けていました。翌年にはトップカテゴリに上がり、ランキング14 位になった年にプロ契約の話がきました。デザイナーとしてもそのころ独立し、年間ランキング7位になりましたが翌年はマシンに恵まれず順位も落ち、年も年だったのでデザイナーに専念することにしました。今思うとちょっと悔しいですね。

ダウンヒルレースの経験はプロダクトデザインに生かされていますか?

違うことに思われるかもしれませんが、この二つに境目を感じたことはありません。レースで結果を出すためにはイメージや段取りが大切です。スタートを切れば後は作業です。スタートまでに試行錯誤や段取りをしっかり終わらせれば結果が出ます。これはデザインと同じなんですね。今でもどんな仕事を頼まれても同じ姿勢です。

どんな教育をしたいですか?

知識の使い方や考える力を養いたいです。事象に対して関連性を見いだせる力を身に付けてほしいです。ダウンヒルとデザインが同じように、ひとつを極めると他に応用できることに気がついてほしいですね。

学生に期待することは?

製品の性能の高さにあるように、工夫や繊細さが日本の特長です。これからの世界は大量消費社会が終わっていく中で、日本の価値を示す時代になると思います。義務教育までは考える力を付ける教育は少ないと思います。美大というのは創造力やイメージ力を育てるところです。過去の経験や実績が当て嵌まらない時代です。矛盾するようですが未来を想像して過去の自分をあっさり棄てるぐらいの覚悟と、同時に自分の過去を冷静に見直す視点が必要です。