佐藤はるな(2015)

佐藤はるな(2015)

アーツ&ルーツ専攻4年

日本画を描きたい!

 高校生の時は宮城野高等学校で美術科があって日本画も教えてもらってました。その時は全然こんな毛を描いたりするような変態ではなくて、純粋に己と向き合うみたいに日本画を描いていて。大学に入る時も迷い無く美術系かなって。中学の時からずっと美術部で、高校は美術科で、美術大学で。そして今、毛を描いているという……。
 今回の発端みたいなものも、自分が無駄毛を処理している時間があまり好きじゃないというか、刃物を当てて自分の一部を取り除くというのが、ありのままの自分を受け入れてとは言わないけど、モテるためにはそれじゃいけないんだなってもやっとしていて。でも美人というもの自体に毛が描かれていないじゃないですか。それ自体女性を天使だとか女神だとか偶像化していると言うか生身の女性ではなく理想の女性像を世界中で描いてるんだろうなって、毛とか贅肉とかセルライトとかいらないわけで。そういうところで、じゃあ美人だけど毛も生えてるよっていう感じで描きました。
 モデルは3人とも自分の中で好みの子で、脇毛は実際に伸ばしてもらって、デッサンして、写真撮って、プリントアウトして、探りながら描きました。脇毛は4カ月ぐらい放置してもらいました。女性側の立場には立ってと思ってはいるんですが、色気というかエロを入れてしまったのは自分の中の男性というか、おっさんの部分というか、おっさんが多分自分の中にいるんです。自分が色っぽくありたいっていうのもあるし、女性の色っぽいのも好きだし、男性の目線と女性の目線両面あると思います。これ以前の作品は全然違いますね。秋田に来たのは、仙台と違うところに行きたくて、場所にそんなにこだわりはありませんでした。秋田は私の中で辺境というか謎の地だったのですが、結果的に秋田に来て良かったような気もしています。普通の日本画専攻のところに入っていたら毛を描くことにはならなかっただろうし。それから山本先生の影響もあると思います。日本画に対する自由感と言うか、それまで閉鎖的なイメージが強かったんですよ。日本画っていう画壇を、山本先生がそれを飛び越えて、むしろ利用して活躍している感じが格好いいと思っています。
 秋田は単純に住んでみて空気感が、どんよりというか、キラキラ華やかな感じではなくて、どちらかというと「死?」みたいな、そういう空気感は創っている何かに影響するかと思いますね。ネクラになるというか、毛を描くテンションには合ってると思います(笑)。
就活もずっとやりたくなくて、でも始めちゃいました。先生の影響から、一つのプロジェクトだと思ってやってみようかなって。今は全然違う分野の方を考えます。洋服の会社だったり、バッグだったり、今度東京の会社の説明会に行ってきます。絶対東北には戻ってくるとは思うんですけど、1回東京とか働きたいところで働いてみて、そしたら何か変わるかなって。
 今回のこの作品で指摘されたのが、自分が人からどうみられているか関心があるんでしょう?って言われて、まさにそうだって思って。自分が人からどう見られているかもだし、人が人にどう見られるんだろうって、見られるってことに関心というか執着があるんだと思います。よく見られたいというか。だったらもう、キラキラしたカッコイイとこに就職してみれば、と思って、そしたら東京かなって。アパレルとかキラキラしてるかなって。

秋田に来なかったら、「毛」は描かなかったと思う